教えて社長!なんでそんなに真直ぐで正直なんですか!
東京都板橋区に拠点を構えるショウエイ技建です。ショウエイ技建は社長である竹井が1994年に独立をして、2004年11月に法人化した内装施工会社です。現在は30名弱の社員を抱え、さらなる発展へ向けて業界未経験の人でも積極的に採用をしています。
ところで、これまでにコラムで紹介してきたショウエイ技建の社員たちは、皆口を揃えて社長のことを「真面目」「正直」と言います。
建設会社の社長といえば、どんなイメージがありますか?
「俺についてこい!」というワンマンタイプが多い中で、竹井社長は一体どのような人物なのでしょうか?!
じっくりと聞いてみました!
目次
【内装施工会社の社長が語る!】いきなり最初から直球投げちゃいます!ズバリ、なんでそんなに真直ぐで正直なんですか?!
自分が正直かと聞かれたら、決して自分ではそうは思っていません。逆に、「自分は正直だ」って思っていることの方が危ないと思いますよ。(笑)
正直であろうと常々心がけていますが、それは自分がまだ100%正直ではないと感じているからではないしょうか。
ショウエイ技建という社名は、「正直に栄える」の「正栄」ですが、私がこの社名をつけた理由としては、やはり正直であることをそれだけ大事にしたかったからです。何に対しての「正」なのかと言うと、仕事、技術、社員など日々向き合っている全てに対してです。
正直とはまた少し違うかもしれませんが、心がけていることとしては、「自分と知り合った人が、あるいはショウエイ技建と関わりを持った会社や人が、自分と知り合ったことで後悔して欲しくない」ということです。だから、何をやるにも全力です。
関わりを持った相手に対して自分ができること、ショウエイ技建としてできることはとことん尽くそうと思っています。結果として損することや裏切られることもあるでしょう。でも、そういう問題じゃなく、頼まれたからには全力を尽くすことしか考えません。
【内装施工会社の社長が語る!】「正直さ」はどのようにしてつくられたのですか?
親の教育もあったのかもしれませんね。「嘘はつくな」と常々言われていました。
でも、本当にその通りだと思います。嘘は後でバレるんですよ、不思議なことに。
嘘をついたことを忘れてたり(笑)いずれわかってしまうのです。だから、最初から正直に言うのが一番なんです。ばつが悪いことも。
また、私は小学校3年生の時から片親で、母親の苦労というか全力になって自分を育てている様子は肌で感じていました。
当時はまだシングルマザーは少なく、働く女性のお給料もたかがしれている時代だったので、母は必死でしたね。区からの援助も受けて、昼間は工場で働き、夜はスナックでカラオケで歌う曲の設定する裏方の仕事をし、掛け持ちして自分を育ててくれました。
高校も出させてもらい、バイクの免許まで取らせてもらって、普通の家庭と遜色ないような生活を送れていました。
今になって考えてみるとその陰には膨大な母の努力と頑張りがあったということですよね。自分が大人になってから十分に恩返しができたかというと、まだまだ足りなかったかもしれません。
【内装施工会社の社長が語る!】竹井青年はどんな学生だったのですか?
特別にどうということもなく、普通の人ですよ。目立つ存在でもなかったと思います。
悪いことをしたり、カッコつけたりしたことも少しはありましが、やんちゃにもなりきれなかったタイプです。(笑)クラスでもやんちゃな人たちはモテていたから憧れはしましたが、私は中途半端でしたね。
スポーツでは剣道をやっていました。なぜ剣道かというと、自分から剣道がやりたい!と言ったわけではなく、たまたま球技が苦手だったので、母親が何かスポーツをやらせようとした時に剣道になったようなものですが、それでも小5から高校まで週3くらいでやっていました。
剣道をやめてからは、バイトを色々と経験しましたね。意外かもしれませんが、中華料理屋で接客をしたこともあります。
他にピザ屋の配達とか、まあ色々とやりました。若かったので全ては経験ですね。
【内装施工会社の社長が語る!】「正直ものがバカをみる」と言いますが、それについてどう思いますか?
正直であることで損をすることもありますが、バカをみるというのは少し違うと思いますね。正直であるというのは、つまり自分に対しての正直という意味で言うと、自分が正しいと思っていることを堂々とやればいいのではないかなと思っています。
自分の考えがしっかりとあって、そっちに行くことが正しいと確信があるのならば、それはもうその道を行くしかないですよ。例えそっちに行くことで金銭的に損があったとしても、ですね。
【内装施工会社の社長が語る!】ショウエイ技建の経営も正直!
会社は社長のものではありません。
ともすれば、会社のお金も自分のものではありません。
会社のお金は、社員とみんなで創り出した利益です。
社員が納得できる使い方をするのが正しいと思いますし、会社で得た利益は全員に行き渡るようにするべきだと、私は考えています。
節税対策で先行投資というのもありますが、「節税対策」というのも会社ごとに定義が違うんですよね。社長の価値観や考え方が違いますから。
私は決算前に経費にできる”適切な”支出なら、それは正しいと思います。しかし節税対策という立て付けで、過剰に経費を使うことはしません。
税金は安くなるかもしれませんが、利益はその分減るんです。そもそも本当に社員が納得する適切な投資なのか、ですよね。
自分が会社のお金をどう管理運用するかは、代替わりした時に、次の社長もそのやり方を受け継いで行くものだと思ってるんです。
私は社員に対して厳しいことを言う時もありますが、もし社員に対して後ろめたいことをしていたら説得力がないですよ。私は正直にやっているので、堂々としていられます。
会社は社長のモノではなく、みんなで育てていくもの、というのは、日頃から社員に伝えているので少しでも理解してくれていると嬉しいのですが。
【内装施工会社の社長が語る!】社長の姿勢は社員にも浸透していますか?
正直まだまだだと思っています(笑)。当たり前と言えば当たり前ですが、社員は経営者ではないので、お金に対する意識や毎日の行動などについては改善すべきところが沢山あると感じています。
建設業は基本的に、お金に関しては「削る」考え方なんですね。
最初に予算が決まっていて、そこから発生するものを順番に削っていく。いかに無駄をなくしてお金を残すかという業界、仕事なんです。
例えば日常で言えば、交通費一つとってもそうですよね。毎日同じ現場に通うのであれば、定期を買う。
会社のお金だと思って、切符を毎回買っているようではダメなんです。定期のほうが安いんですから、その差分は抑えられる経費なんです。
材料のネジも最後の一つまで使うように言っています。会社は社長のものではないと言いましたが、じゃあ誰のものかって、みんなのもの。
だから社員の一人一人が事業の運営に対して当事者意識を持つようになってもらいたいです。そうなると、自然に無駄な出費がなくなってきますよね。みんなの会社とは、そういうことなのではないのでしょうか。
そして、無駄をなくすことと並行して、どうやったら生産性を上げることができるのかを考えてほしいと思っています。建設業はシンプルで、職人一人ひとりの働きがお金になるという仕組みです。そして会社としては、職人をたくさん抱えているから利益を出すことができるのです。
私を含め、一人でできることって、たかが知れているんです。
「この人は普通の人の倍働く」という人もいるかもしれませんが、実際には倍働くことができるような人はなかなかいません。
しかし、職人一人ひとりのパフォーマンスが少しずつでも上がれば、大きな結果に繋がります。会社のパフォーマンスが上がれば利益率も上がり、会社に利益が多く出れば個人に還元できます。
なぜここまで生産性のことを口酸っぱく言うかというと、社員にたくさんお金を払いたいからなんですよ。満足のいく給料を払って、ボーナスも十分に出してあげたい。そのためには、みんなで協力し合おうよと、そういう理由です。
【内装施工会社の社長が語る!】竹井社長の「志」を教えてください
建設業の道に入って30年目になりますが、年々縮小していっていることを肌で感じています。それには若手人材が入らないことや職人が不足していることなど、さまざまな原因がありますが、結局は業界のせいであり、我々のせいだと思っています。
建設業を魅力的にしてこなかったのは、他でもない自分たちなんですから。
だから、せめて私が現役の間に、自分のできる範囲で建設業が魅力的だと思える環境づくりをしていきたいと思っています。建設業界に食べさせてもらってきたので、その恩返しをしたいですね。
具体的には人材育成が大事だと思っています。これから建設業を担う次世代を育てることが重要ですよね。だから、若い人を積極的に入れて、これからの建設業を担う人材を育てていきたいですよね。会社の利益を上げたいから雇うというのではなく、建設業の未来のために雇うということです。
若い人材を雇い、育てるための環境づくりには力を入れています。
保険完備や有給休暇の付与は当たり前ですが、その他にもショウエイ技建では高校生の新卒採用にも力を入れており、遠方から上京する場合は社宅を用意し、2年間家賃を半分補助しています。
しかし、待遇を良くして環境を整えてあげるだけでは人は育ちませんよね。やはりちゃんと手をかけて、我が子のように愛情を持って接することが大事なのではないでしょうか。
今、社宅には地方から上京してきた10代の新入社員がいますが、彼は朝が弱くてなかなか起きられないのです。
秋までは起きることができていたのですが、暖かい地方から来たからなのか、冬になった途端起きられなくなってしまったようです。
しかし、遅刻は良くないですよね。会社的にというより社会人として遅刻はNGです。
だから毎日私が電話して叩き起こしていますよ。電話に出ないときは、家まで行って「起きろー!」ってインターホンを鳴らしています(笑)。
10代で親元を離れ、上京して頑張っているのですから、それくらいはしますよ。20歳までは、少々手がかかってもご両親に代わって面倒を見ます。責任持って育てるって、そういうことなのではないでしょうか。
【内装施工会社の社長が語る!】ちなみに、個人的な「志」など何かありますか?
ありますよ。今年立てた抱負というか目標みたいなものですが、「出したらしまう」です!(笑)シンプルです。
「出したらしまう」は自分にとって永遠のテーマです。プライベートになるとこればかりは…昔からダメなんですよね。
例えば自分の家についての話になりますが、週の始まりはキレイなんです。テーブルの上には何もありませんし、布団の周りにも何もない。これがですね、一週間かけてだんだんと荒れていくのです。(笑)
月曜日に読んだ本がテーブルに置かれたままになり、翌日はその隣に新たに物が置かれたままになり、さらに水曜には別のものが……といった具合に、自分が座る位置を取り囲むように本や物が積まれていきます。食事するスペースがだんだん無くなってきます。(笑)
いい大人がこれではいかん!と改めて、「出したらしまう」を今年は徹底させようと思いました。
まぁ、完璧ではないですが、実行できているとは思いますよ。今のところはですが(笑)
(インタビューは2月。あと2ヶ月したらまた聞いてみようと思います。)
【内装施工会社の社長が語る!】ショウエイ技建をどのような会社にしていきたいですか
社員に満足のいく給料を払える会社にしたいですね。
一言で言うと、「辞めるのがもったいない会社にしたい」です。
満足のいく給料を払うためには、社長として仕事を与え続けないといけない。建設業では職人が現場に入りたくても入れず、収入がない日が発生するようなことがありますが、ショウエイ技建では今まで一度も仕事を切らしたことがありません。常に彼らが稼ぐことができるように最大限努めています。
面と向かって言ったことはないですが、社員には本当に感謝しています。社員がいないと会社は成立しないですし、社員がいるから自分は社長でいられていると思っていますから、だからこそ「満足のいく給料を払いたい」「ボーナスも出してあげたい」となるのです。
社長が社員に嘘をついているような会社では、人は辞めていくでしょう。
私はこれからも、いつでも堂々と胸を張って、社員と関わっていきたいと思っています。